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シャボン玉 友の会だより <NO.37>
平成9年12月1日発行


消費者のためになる広告
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  今年も全国紙に、全十五段の広告を出しました。タイトルは「洗剤を使う全ての人への、質問状」です。(詳細三十四号)

  その経緯(いきさつ)をご報告します。
  まず五月十三日に中日・東京、二十六日に毎日。そして六月に読売・朝日の予定でした。

  ところが、読・朝から広告原稿の書き直しを求められた。しかも、訂正箇所がまったく同じなのです。二−チェ曰(いわ)く「真実を語る者は常に迫害を受ける」。

  つまり、これはなにを意味するか。いつものことですが、毎日に出たから、次は読・朝と考えた「日本石鹸洗剤工業会」が新聞社の広告局に圧力をかけたのではないか。そう考えると、訂正箇所が同じなのも納得できます。
  弊社は九十四年(平成六)から新聞広告を始めましたが、出すたびに新聞社と、もめています。売らんかなの広告ではなくて、消費者啓蒙広告だからです。

  一番最初の広告はものすごい反響を巻き起こしました。それは消費者がいつも疑問を抱いていたことに、分かりやすく説明をしたからです。納得された消費者は賢くなります。

  洗剤業界のみならず、化粧品、農薬、食品業界も、賢い消費者が増えては困る。無知な、何も疑問を持たない消費者は、マインドコントロールができる。そして一番おいしいお客だ。

メーカーのためになる広告は新聞、雑誌、ラジオ、テレビに氾濫しているが、消費者のためになる広告はすくない。

  読・朝の訂正要求は次のとおりです。

@「合性洗剤で顔や手を洗わないのはなぜでしょう」は、他社を誹謗することになる。だから「合成」の文宇を削除せよ
A「アトピーで苦しんでいる人はいませんか。」は、薬事法違反だ。
B「『蛍光剤配合の輝くような白さ』は本当に必要ですか」。『     』の部分は極端な表現なので不可。薬事法でも不可。
C「純石けん分九十九%」は根拠があるか、現実的には考えにくい。
D「皮膚の弱い方も安心して使っていただけます」は、薬事法に違反。
E「かつて私は皮膚疾患に悩み」は、薬事法に抵触する。
F「良さを実感して」の実感は表現不可。

  呆れて物が言えないでしょう。日本を代表する読・朝の大新聞が工業会の圧力に屈して、この体(てい)たらく。

  とどの詰まりは、私の強硬な主張に新聞社も折れて、妥協案が提出された。

  字句は一切変更しない代わりに、意見広告の文字を入れる。商品写真は外す。

  そして九月八日に読売、十月二十一日朝日に掲載された。「意見広告」の四文宇で新聞社は逃げを打ったのでしょう。

  この広告について、皆様から色々なご意見を頂きましたが、実情はこうなんです。

  インテリもどきが記事を書き、ヤクザもどきがこれを売るそんな言葉は聞きたくないが、新聞社には虚(むな)しさを感じる。

  ところが、捨てる神あれば拾う神あり。瓢箪から駒が出た。

  社団法人日本広告主協会から「第三十七回消費者のためになった広告コンクール」金賞受賞の知らせを受けたのである。思わず頬がゆるんだ。どんな人が審査員か知りませんが、世の中まだまだ捨てたものではありません。

  今年も残りすくなくなりました。どうか、良いお年をお迎えください。

シャボン玉友の会だより<NO.37>


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